秋深し 父ちゃん何をする人ぞ
ちょっと、父ちゃん!またあたちをほったらかしでなんか楽しそうなことしてるの?
ん、ああ。これな。今度ロボット教室の体験授業で使うウッドクラフトの準備だ。遊んでるわけじゃないぞ。
なによ、そのロボット教室って?食べられるの?おいしいの。
おまえ、この前の嘔吐騒ぎもすっかりどこ吹く風だな。食いしん坊め。ロボット教室は主に小学生を対象にしたロボット作りを楽しみながらサイエンスに親しむクラスだ。食べ物じゃない。
と、父ちゃんがサイエンスだなんて。チャンチャラ・・・
お前には黙っておいたがな、父ちゃん実はマスターPなのだ。
何よそれ~。怪しさ全開じゃない。
まあ、PはPhysicsのPだ。あとは自分で調べろ。
え、組み立てないで戻しちゃうの?
低学年の子供の指の力ではどうも型から抜くのが難しそうだからな。抜きやすくしてるんだ。ただし、抜けたからと言って上手に作れるかは、別な話。ちゃんと設計図を見てその意図をくみ取るのも大切なポイントだ。
で、本コースで使うのはこっちのロボットキットだ。
何やら難しそうなちっちゃな部品ばかりね。
うむ。だが、これらを自在に操って、創造の翼を広げるのだ。
父ちゃん、それもう先週終わっちゃったわよ。
それより、散歩連れてってよ。
そうだな。東京犬パルクール部にも入れてもらったことだし。
父ちゃん、どう?すごい?
んー、高さがちょっとかな。ま、いいか。周りの木々が雰囲気だしてるし。
もうすっかり秋の気配よね。きんもくせいも散っちゃったし。
ああ。だが、お前はもっぱら食欲の秋だな。でも、今年は焼き芋はやらんぞ。あれ、体重増えてもとに戻らなくなるし。
そしたらまた、おぅえってするから、いいもん。
いいもん、じゃない。父ちゃんほんとに肝を冷やしたんだからな。
肝が冷えるなら肝炎にちょうどいいじゃない。
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